一般社団法人日本セルフケア推進協議会(JSPA)は、「第2回日本危機管理医学会総会・学術集会」にて、共催セミナー「セルフケアからワンヘルスそしてプラネタリーヘルス」を実施しました。
座長は、川上浩司先生(京都大学医学研究科 薬剤疫学分野 教授/JSPA 業務執行理事)と、横倉義武先生(日本危機管理医学会 理事長/日本医師会 名誉会長)に務めていただき、セルフケアを起点に、環境・生態系・感染症対策までを一つの連続した課題として捉える視点が共有されました。
プラネタリーヘルス:激変する地球環境における健康危機管理への挑戦(鹿嶋小緒里先生)
講演1では、鹿嶋小緒里先生(広島大学 IDEC国際連携機構 プラネタリーヘルス・イノベーションサイエンスセンター 特定教授)がご登壇。
気候変動・生物多様性の損失・環境汚染といった地球規模の変化が、健康危機管理そのものの前提を変えている点を整理し、国境を越えた影響評価と学際連携の重要性が示されました。
セルフケアとワンヘルスとプラネタリーヘルスが共鳴する未来(中村安秀先生)
講演2は、中村安秀先生(大阪大学 名誉教授/日本WHO協会 理事長/JSPA 業務執行理事)がご登壇。
セルフケアは個人だけの営みではなく、社会が支えるべき基盤であることを確認したうえで、ワンヘルス、プラネタリーヘルスへと接続していく将来像が語られました。
プラネタリーヘルス 日常診療と薬剤汚染(佐々木隆史先生)
講演3では、佐々木隆史先生(一般社団法人みどりのドクターズ)が、日常診療と薬剤汚染の関係を取り上げました。
治療の利益とともに、環境負荷という視点を臨床の判断にどう織り込むか。医療の意思決定を「地球環境」まで拡張する問題提起がなされました。
下水疫学と公衆衛生危機管理:感染症対策への新たなアプローチ(北島正章先生)
講演4は、北島正章先生(東京大学 大学院工学系研究科 附属水環境工学研究センター 国際下水疫学講座 特任教授)が登壇。
下水疫学が、検査体制や受診行動の影響を受けにくい形で地域の感染動態を把握できる手法であること、平時から有事まで公衆衛生危機管理に資する可能性が示されました。
指定発言(三輪芳弘 JSPA代表理事(会長))
最後に、三輪芳弘(JSPA 代表理事(会長)/興和株式会社 代表取締役会長兼社長)が指定発言を行い、実践の見地から、セルフケアを「個人の努力」で閉じず、医療・社会・環境をつなぐ共通言語として育てていく必要性を総括しました。
一般社団法人日本危機管理医学会は、災害・感染症・環境変化など多様なリスクに対し、医療と社会の実装を含めて議論する学術団体です。JSPAは、こうした学会とも連携。議論の場を通じ、セルフケアの視点が医療・公衆衛生・環境の領域と交差していく対話を支えていきます。
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